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MQL講座(5)自作サインツール|WPRを使用したサインツールを作ってみよう!サンプルプログラムあり

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皆さん、ミーでございます。

自作サインツールの作り方をサンプルプログラムを含めて配信しておりますが、今回は、WPRを使用したサインツールを皆様と一緒に作成してみようと思います。

サインツールの作成が初めてという方は、以下の記事を読んでから見ていただけると更に分かり易いです。

MQL講座(1)サインツールの作り方|環境準備とサンプル動作の確認を初心者にも分かり易く説明

2021年12月21日

WPRとは

まず、WPR(ウィリアムパーセントレンジ)とは何かについて説明します。(ご存じの方が多いと思いますが)

ウィリアムパーセントレンジ(Williams’ Percent Range、%R)はストキャスティクスに似ており、、買われ過ぎ/売られ過ぎを測る動的な指標です。ストキャスティクスとの違いは、%Rのスケールは逆さまであり、ストキャスティクスは平滑化されるということです。

ストキャスティクスの指標値は0~100に対し、WPRは指標値が -80〜-100%の時は、売られ過ぎ、0〜-20%の時は、買われ過ぎの状態を表します。

WPRは価格の潜在的な要因から反転を探知する驚異的な能力があります。多くの場合、この指標は、株価が天井と転換を形成する何日か前に、天井を形成し下落します。同様に、通常、株価が転換する数日前に、谷を形成しその後上昇します。

WPRは値動きに対して反応が若干遅いのですが、その分、ダマシも少ない、実は高勝率のサインツールに組み込むには最適です。

WPRをサインツールに組み込む方法

WPRをサインツールに組み込む方法ですが、【iWPR】という関数を使用します。

【iWPR】の関数をMQLのソースプログラムから呼び出すことで、WPRの値を取得することができます。

iWPRの使い方

// iWPRの関数定義

double  iWPR(
   string       symbol,     // 通貨ペア
   int          timeframe,  // 時間軸
   int          period,     // 平均期間
   int          shift       // シフト
   );

使い方は、以下のような感じです。

double iResultWPR = iWPR(NULL,0,14,0);

iResultWPR には、通貨ペア、時間軸は現在表示されているものを対象に、平均期間は一般的な「14」の設定で、最新のローソク足の情報が設定されます。

iWPRのパラメーターである「period」は、赤枠の期間を指定。「applied_price」は赤枠の適用価格の種類を指定するものです。

 

WPRを使用したサインツール

早速、WPRを使用したサインツール(サンプル)のご紹介をします。

今回作成するのは、

1.単純なWPRの上限/下限でサイン表示するもの

2.最新+1つ前のローソク足でサイン表示するもの

の2つになります。

単純なWPRの上限/下限でサイン表示するもの

まずは、実際に動作するサンプルコードを記載しますので、XXX.mq4(XXXの名前は何でも良い)を作成し、コンパイルの実行をお願いします。

手順が分からない方は、
https://rpa-affiliate.com/2021/09/24/self-made-signtool-base/
の記事を参照してください。

#property indicator_chart_window
#property indicator_buffers 2

extern int WPR_Period= 14;
extern double WPR_High = -20.0;
extern double WPR_Low =  -80.0;

double DrawReverseLowBuffer[];
double DrawReverseHighBuffer[];


int init()  {
   SetIndexStyle(0,DRAW_ARROW,STYLE_SOLID,1,clrMagenta);
   SetIndexStyle(1,DRAW_ARROW,STYLE_SOLID,1,clrRed);
   SetIndexArrow(0,234);
   SetIndexArrow(1,233);
   SetIndexBuffer(0,DrawReverseLowBuffer);
   SetIndexBuffer(1,DrawReverseHighBuffer);
   return(INIT_SUCCEEDED);
}

int start() {
   int counted_bars=IndicatorCounted(); 
   int limit = Bars - counted_bars;
   double iResultWPR;
  
   for (int i=limit-1;i>=0;i--){
      if(i == 0){
         DrawReverseLowBuffer[i] = EMPTY_VALUE;
         DrawReverseHighBuffer[i] = EMPTY_VALUE;
      }

      iResultWPR      = iWPR(NULL,0,WPR_Period,i);
      if(iResultWPR >= WPR_High){
         DrawReverseLowBuffer[i]=High[i];
      }
      else if(iResultWPR <= WPR_Low){
         DrawReverseHighBuffer[i]=Low[i];
      }
   }

   return(0);
}

 

実行結果のイメージ

比較的サイン数は多いですが、騙しも多いことが分かりますよね!

 

サンプルコードの解説

それでは、サンプルコードで重要な部分の解説をしていきますね。

#property indicator_chart_window
#property indicator_buffers 2

extern int WPR_Period= 14;
extern double WPR_High = -20.0;
extern double WPR_Low =  -80.0;

#property indicator_chart_window は、チャートウィンドウにサインを出すことを明示します。
#property indicator_buffers 2 は、使用するインジケーターの数で、HighのサインとLowのサインの2つであることを意味します。

”WPR_Period”は期間、WPR_HighはHighエントリーの値(-20を超えたら)、WPR_LowはLowエントリーの値(-80を下回ったら)を定義しています。

このWPR_High、WPR_Lowの値を変更することにより、サイン数やサインの勝率が変わります。

また、先頭に”extern”が記載されておりますが、これを付けると、以下の画像のように、ユーザーがMT4から値を変えられるようになります。ユーザーの利便性が向上しますので、適切に使い分けを行いたいですよね。逆に、ユーザーに変更して欲しくない値には、”extern”は使用しません。

int init()  {
   SetIndexStyle(0,DRAW_ARROW,STYLE_SOLID,1,clrMagenta);
   SetIndexStyle(1,DRAW_ARROW,STYLE_SOLID,1,clrRed);
   SetIndexArrow(0,234);
   SetIndexArrow(1,233);
   SetIndexBuffer(0,DrawReverseLowBuffer);
   SetIndexBuffer(1,DrawReverseHighBuffer);
   return(INIT_SUCCEEDED);
}

上記は、MT4起動時や呼ばれる特殊な関数(init)です。その関数の中に、サイン表示に必要なサインの太さ、アイコンの種類、そして、表示するサインの配列を設定します。これは、こういうものだと覚えておく程度で構いません。

   for (int i=limit-1;i>=0;i--){
      if(i == 0){
         DrawReverseLowBuffer[i] = EMPTY_VALUE;
         DrawReverseHighBuffer[i] = EMPTY_VALUE;
      }

      iResultWPR      = iWPR(NULL,0,WPR_Period,PRICE_CLOSE,i);
      if(iResultWPR >= WPR_High){
         DrawReverseLowBuffer[i]=High[i];
      }
      else if(iResultWPR <= WPR_Low){
         DrawReverseHighBuffer[i]=Low[i];
      }
   }

for文の中がロジックの処理となります。

ループ変数(i)の値が、limit-1から、0の間ループすることになり、初回は全てのローソク足、2回目以降は最新のローソク足が再計算されます。

次に、サイン表示配列に”EMPTY_VALUE”(空の値)を設定していますが、最新のローソク足はWPRの値が変動する可能性がありますので、一旦サイン表示なしに設定しています。

その後、WPRの値が-20以上(WPR_Highで指定した値)、-80以下(WPR_Lowで指定した値)になった場合に、HighまたはLowのサインを表示する処理となります。

最新+1つ前のローソク足でサイン表示するもの

次に、”最新+1つ前のローソク足でサイン表示するもの”について、サンプルコードを記載します。

なぜ、1つ前のローソク足を見るサインツールのサンプルをご紹介するか?ですが、より勝率が高いサインを出すためです。条件を複数指定することで、より勝率が期待できるエントリーポイントでサインを出すことが出来ます。

きっと、この記事を見られている皆様は、勝率が高いところでサインを出したい!って思われてますよね(笑)

#property indicator_chart_window
#property indicator_buffers 2
extern int WPR_Period = 9;

extern double WPR_High = -100.0;
extern double WPR_High_prev= -55.0;
extern double WPR_Low = -90.0;
extern double WPR_Low_prev= -45.0;

double DrawReverseLowBuffer[];
double DrawReverseHighBuffer[];


int init()  {
   SetIndexStyle(0,DRAW_ARROW,STYLE_SOLID,1,clrMagenta);
   SetIndexStyle(1,DRAW_ARROW,STYLE_SOLID,1,clrRed);
   SetIndexArrow(0,234);
   SetIndexArrow(1,233);
   SetIndexBuffer(0,DrawReverseLowBuffer);
   SetIndexBuffer(1,DrawReverseHighBuffer);
   return(INIT_SUCCEEDED);
}

int start() {
   int counted_bars=IndicatorCounted(); 
   int limit = Bars - counted_bars;
   double iResultWPR,iResultWPR_prev;
  
   for (int i=limit-1;i>=0;i--){
      if(i == 0){
         DrawReverseLowBuffer[i] = EMPTY_VALUE;
         DrawReverseHighBuffer[i] = EMPTY_VALUE;
      }
      iResultWPR      = iWPR(NULL,0,WPR_Period,i);
      iResultWPR_prev = iWPR(NULL,0,WPR_Period,i+1);
      if(iResultWPR_prev < WPR_High_prev && iResultWPR >= WPR_High){
         DrawReverseLowBuffer[i]=High[i];
      }
      else if(iResultWPR_prev > WPR_Low_prev && iResultWPR <= WPR_Low){
         DrawReverseHighBuffer[i]=Low[i];
      }
   }

   return(0);
}

 

実行結果のイメージ

条件が増えましたので、サイン数は減りましたが、勝率は高くなってますよね。こうして、サインツールと呼ばれるものは、条件を組み合わせることで、サインを出しています。言い換えれば、この条件が【企業秘密】ってことですよね。

サンプルコードの解説

それでは、サンプルコードで重要な部分の解説をしていきますね。

”単純なWPRの上限/下限でサイン表示するもの”のサインツールと重複する部分が多々ありますので、異なる部分のみ解説します。

extern double WPR_High = -100.0;
extern double WPR_High_prev= -55.0;
extern double WPR_Low = -90.0;
extern double WPR_Low_prev= -45.0;

条件の変数が2つ増えています。これは判断する条件として1つ前のローソク足のWPRが加わったためです。

      iResultWPR      = iWPR(NULL,0,WPR_Period,i);
      iResultWPR_prev = iWPR(NULL,0,WPR_Period,i+1);
      if(iResultWPR_prev < WPR_High_prev && iResultWPR >= WPR_High){
         DrawReverseLowBuffer[i]=High[i];
      }
      else if(iResultWPR_prev > WPR_Low_prev && iResultWPR <= WPR_Low){
         DrawReverseHighBuffer[i]=Low[i];
      }

そして、判定ロジックの部分が変わっております。

一つ前のローソク足のWPRが、WPR_High_prevの値より小さいことに加え、最新のローソク足のWPRが、WPR_Highの値より大きい場合に、Lowエントリーのサイン。

一つ前のローソク足のWPRが、WPR_Low_prevの値より大きいことに加え、最新のローソク足のWPRが、WPR_Lowの値より小さい場合に、Highエントリーのサイン。

を出すサインツールとなります。

MQL講座(6)自作サインツールの必要性|自ら考えたロジックが搭載できるのが最大のメリット!裁量手法と相性バツグン!

2021年12月24日

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